反転するいのち ―少女と人形の間―
2017年 11月 23日
2017年11月18日(土) から 2018年1月3日(水)

「ひと」の「かたち」をした人形は、「もの」であるにもかかわらず、ある瞬間にいのちの気配を宿します。人形作家と画家が表現する人形の世界、そして人形を愛した画家が描く少女の世界を紹介します。 「もの」自体に生命があるような錯覚を呼び起こす機械仕掛けの人形を生み出した四谷シモン。人形を現実世界に棲まわせることなく、非日常の高みに飛翔させます。 すずきすずよの人形は生身の少女のようになまめかしく、対峙する人間を惹きつけます。「別のいきもの」として息づく人形たちです。 荒涼とした風景のなか、廃屋に遊ぶ人形を描く加藤貞子。彼女の作 品の中では、人形が時に浮遊し、現在と過去、そして現実と虚構を 往還します。 藤田嗣治の<四十雀>シリーズには、無機質な表情の少女たちが登場します。その姿は、画家の傍らにあった人形が重なります。 人形という無生物と、いのちある少女の間の揺らぎに注目する本展では、大勢の人形と少女たちが現実世界からの訪問者を待ち受けています。 |